石巻/松島 団体参拝旅行
2016年3月7日
—震災を風化させてはならない—
被災地慰霊法要厳修
11月24日から25日と1泊2日で石巻団参に行って参りました。仙台駅からすぐの東北の本山、孝勝寺をお参りしてからバスで石巻へ向かいました。久円寺さんでお経をあげて頂いたあとは昼食。前日までお会式、お餅搗きとお忙しかったところへ大勢でお邪魔してしまいましたが、なんとお会式で振る舞ったというお汁粉、お雑煮、さらに寒天各種、お漬け物まで手作りの心づくしのお食事をご用意下さっていました。大奥様、奥様をはじめ、お手伝いの方々の笑顔いっぱい、楽しいお話いっぱいのおもてなしに一同感激でした。
午後は2ヶ所の被災地慰霊法要に参列です。本納寺住職は、毎年、同志のお上人と一緒に石巻の数カ所で慰霊法要を行っております。今回はお檀家の皆さんと共に…ということで団参の行き先が石巻になったわけです。
1ヶ所目の日和山公園へ向かう頃から雨が降り出し、一時は本降りに。どうなるかと思っていたら、法要が始まる直前にあがったのです。良かったねと言い合いながら、眼下の町に向かってお祈りいたしました。
見下ろす町にはまだまだ工事中の所もありました。海の手前の川にかかる大きな橋の上にいた人たちだけが助かったという話も聞きました。
次に行った大川小学校は、建物が震災当時のまま残され、津波の威力を感じました。遮るもののない河川敷に右側から強風が吹いてきます。準備の段階から法要に必要な道具が次々に飛ばされてしまうので、お上人たちは道具を手に持ちお灯明も消えてしまう中で法要を始めました。後方に用意されたパイプ椅子に座っている私たちも吹き付ける冷たい風に、だんだん右耳だけが痛くなってきました。その風が、ご祈祷が始まった途端ぴたっと止んだのです。不思議な気持ちで手を合わせました。
慰霊法要に必要な台や椅子など諸々を運びつつ帯同して下さったのは、本納寺のお檀家の武山さん、武山興業の社員の皆さんです。お陰さまで皆無事に参列することができました(武山興業は、震災当時、ご自身たちも甚大な被害を受けたにもかかわらず、壊滅した石巻の町に自衛隊が入れるように、3日間で川沿いの道を啓開した会社です)。
あと2ヶ所で慰霊法要がある住職たちとは一旦ここで別れ、私たちは武山興業の会社に少し寄らせて頂いたあと、南三陸のホテル観洋へ向かいました。このホテルは海に面しているため、部分的には被害に遭ったものの建物が壊れることがなかったので、在庫の食料をやりくりして多くの人を長期間受け入れたことで有名です。海が見わたせる露天風呂で温まったあとの食事の席には武山ご夫妻もおいで下さり、いろいろなお話が聞けて楽しいひとときとなりました。
「森部陽子記」(つづく)
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