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IN LAOS/CAMBODIA 2

2019年5月11日

IN LAOS/CAMBODIA 2

  

 ピッチに入場するときに、盛り上がるかなと思い、サッカーアンセム(ワールドカップ等の国際試合での入場曲)を流したのですが、あまり国際試合を見たことがないようで、反応が薄く、またそれをうまく伝えることもできずに、結局グダグダな入場になってしまいました。用意してもらっていたボールの、いくつかはすぐに空気がぬけてしまうなどのアクシデントもありましたが、なんとかキックオフ!

 35度を超える暑さでの中、真剣にボールを追いかける子供達、それをボコボコのピッチに戸惑いながら、様子見しながら受けて立つ日本チーム。生徒チームは途中からゴールキーパーとして校長先生を投入してきました。試合終盤、右サイドにいた私にパスが回ってきて絶好のチャンスに。しかし、自分でもいい感じに打てたゴール隅を狙ったシュートが、校長先生のナイスセーブに阻まれてしまいました。なかなか盛り上がった試合は、最後にはこちらのペースになり、我々の勝利。

 今回も子供達のキラキラした目は「サッカーは共通語」を体現していて、腰痛をおして頑張った分、いっそう感無量でした。

 サッカーをしていないピッチ外の子供達には、女性スタッフがシャボン玉を配って一緒に遊んでいました。

 液体なので、途中税関での没収を考慮し、バック内で漏れないようにとジップロックに詰めなおすなどして、彼女達が日本から苦労して大量に持っていったものです。現地では間違って飲み込まないように配慮したり、数がちょっと足りなくなったりしたそうで、なかなか大変だったようです。子供達は「パオー、パオー」と言いながら(プゥーと吹くことをラオスではパオーという)、楽しそうに遊んでいて、「ほら大きいシャボン玉ができたよー見て見てー」と女性スタッフを囲んでいました。

  この様な支援を続けていると、「本当に必要とするものはボールやゴールではないでしょ」という声が耳に入ることがあります。生活物資の支援も必要で大切なことはもちろんなのですが、生活や勉学だけではない、楽しみを味わうという喜びもまた、子供達にとって必要な体験に違いないはずです。今回の子供達の満面の笑みが、この思いが間違っていなかったということを証明してくれたようで嬉しくなりました。

 日本から持ってきた大縄で縄飛びをして遊んだりもして盛り上がり、最後には私達の寄書きユニホームと日本のお菓子をプレゼントして、学校を後にしました。

 3日目はビエンチャン最古の寺院であるワットシーサケットと、ラオスを代表する金色にそびえる仏塔タート・ルアンを参拝。ラオスのシンボル、パトゥサイ(凱旋門)へも足を運びました。タート・ルアンを参拝中、一人の男性が寄ってきました。籠に入っているスズメに願い事をしながら放すとその思いが叶い、幸せになれると言うのです。これも支援のひとつかなと思い、9人いたので9羽放すことにしました。値段は、一羽日本円にして10円くらいだったと思います。私が代表して支払いをして振り返ると、まだ願い事もしていないのに、もうすでに放たれてしまっていました。後から聞いたところによると、餌をやると戻ってくるように訓練されたスズメなのだとか。

 その日の内にルアンパバーンへ移動です。国内線で一時間、そこからまた車で一時間に行ったところに次の目的地、クアンシーの滝がありました。美しいターコイズブルーの滝つぼが幾層にも連なり、色彩豊かな神秘的景観の絶景スポットです。遊泳可能になっている滝つぼもあり、泳いでいる人たちが見えました。自然の木を利用してつくられた飛込み台が設置されていたので、私が飛び込んだら、きっと教え子達も続いてきて、よい思い出になるのではと思い、先頭をきって飛び込みました。しかし、誰もついてこず、なんと見て見ぬふりをしていました。理由は着替えがないからだったそうで「まさか本当に行くとは思いませんでしたよー」、「サッカー部の時の指導が足りなかった!」とみんなで大笑い。

 次はルアンパバーンのもう一つの絶景スポット、プーシーの丘へ夕日を見に行きました。メコン川が流れる町並みが一望でき、その先の山間に夕日が沈んでいきます。300段を超える階段を登った先は大混雑でしたが、なんとか場所を確保するとその先に綺麗な夕日がありました。しかし日没の時間が迫り、いよいよと思っていたら、残念なことに山上にあった雲の中へ。諦めて丘を降りると途中の小台に戻ったところで、再び夕日が顔を出していました。もう少し上で我慢していればと悔やみつつも、山間に沈み行く美しい落日を見ることができたと安堵するという複雑な気分でした。「達彦記」(つづく)


 

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