彼岸花
2010年10月20日
彼岸花
彼岸花という通名どおり、毎年正確にお彼岸に咲き誇っていた境内の曼珠沙華が、今年はお中日になっても少ししか出てきませんでした。
テレビで「曼珠沙華の群生地でも開花が遅れています」というニュースも聞きました。
ん?ということは、私がずっと見たかった埼玉県巾着田の曼珠沙華群を見に行けるのでは?
いつも秋になると池袋駅の西武線構内に真っ赤なポスターが貼り出されるのです。「いつか行ってみたいなあ」と憧れていましたが、寺の人間には所詮叶わぬ夢と諦めていたのです。
彼岸花がお彼岸に咲いていないなんて!今年を逃したらチャンスはないかも!と、お彼岸も終わった9月末、いそいそ独り電車に乗ったのでした。
その日は埼玉県に大雨注意報が出ていたのですが気にしない気にしない。
平日、しかも雨の早朝。降り立った高麗駅は静かでした。足取りも軽く10分ほど行くと、ますはコスモス畑が広がっていました。気分も盛り上がってきたところで巾着田に到着です。
高麗川に沿って、ダーッと真っ赤な曼珠沙華!!本当に一面の曼珠沙華です。
金子みすゞの詩のとおり「地面の下に住む人が線香花火をたきました」です。村人総出の大線香花火大会です。
他の木に寄生して幹の途中から生えているたくましい曼珠沙華もありました。
足下がぬかるむ中、興奮してコースをぐるぐる歩き巾着田を満喫。
増水した高麗川は渡れませんでした。向こう岸に神社のようなものが見えたのに残念。周りにはいくつも小山があって、天気が良ければ一日散策できそうなステキな所でした。
一時間くらい経った頃、大型バスが続々と到着し観光客の数が増えてきたので、ようやく帰る気になり大満足で帰途についたのでした。
そんなわけで、季節外れと言われようと、私の携帯電話の待ち受け画面はいまだに巾着田の曼珠沙華なのです。(Y)